青山の骨董通りに「
伊勢半本店紅ミュージアム」があります。
「紅」を点す、味わう、楽しむサロンとして多くの女性に親しまれています。
伊勢半本店は、1825年に江戸・日本橋で創業。
以来180有余年、当時と変わらぬ製法で「紅」を守り続けてきました。
店内には、小町紅や紅関連の小物がずらりと並んでおり、和の空間を楽しめます。
この時期、贈り物に相応しいと思ったのは「寒紅セット」
一年で最も品質がよいとされたのが、寒中に作られる紅「寒紅」だそうです。
江戸時代の女性達はこの時期に競って紅を買い求めたとか。
新しい年。お世話になった方への贈り物として、喜ばれるのでは?
また「紅のコンシェルジュ」さんが、店内を丁寧に解説してくれます。
中でも見所は、店内奥にある資料室。
江戸の化粧文化、当時を偲ばせる絵図、紅作りの道具などがあります。
個人的に「都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)」という書物に惹かれました。
江戸後期、1813年に出版され、明治頃まで再版されたベストセラー。
現代でいうコスメ雑誌のようなものでしょうか?
当時の美人の第一条件は色が白いことだったそうです。
「鼻の低きを高う見する伝」・・・このタイトルには、笑いました。
いつの世も女性は美を追求しているのです!
短い時間ではありましたが、かなり見応えのあるミュージアムでした。
妖艶な光沢を放つ玉虫色の「紅」は、紅花からごく少量しか精製できない大変に貴重なものです。まさに天然の色彩。
日本が生んだ「紅」の文化を守り伝え、その技を後世に残してほしいと願っています。