『
ヒマラヤ杉に降る雪』-Snow Falling on Cedars-(1999)
戦争で引き裂かれた日系人女性と米国人男性の恋を描いた物語です。
原作は、第二次大戦中アメリカに実在した日系人収容所と日系人差別の問題を描き、アメリカで400万部以上を売ったデビッド・グターソンの小説。
「シャイン」でアカデミー賞にノミネートされたスコット・ヒックス監督が映画化した作品です。
この映画で本格的なハリウッド・デビューを果たした工藤夕貴さん。
日系人女性ハツエ役を見事に演じきりました。
太平洋戦争開戦の引き金となった、真珠湾攻撃。
アメリカ国内では、日系移民に対する妄想や疑惑が広がっていきます。
まもなく、政府の命令で、日系人は収容施設に送られ終戦までそこに留められることになったのです。
映画の舞台となるのは、第二次世界大戦から数年が経過した、ワシントン州北西部の小さな移民の島。
幼い頃、イシュマエル(イーサン・ホーク)とハツエ(工藤夕貴)は、白人と日系人との間柄、密やかな愛をヒマラヤ杉の洞で育んでいました。
しかしその愛は第二次大戦の勃発と共に打ち砕かれます。
強制収容所へ送られたハツエは、やがて同じ日本人の血を持つカズオと結婚。
戦後9年を経た冬、イシュマエルとハツエは一級殺人をめぐるカズオの裁判で再会することとなりましたが・・・
過ぎ去った思い出は美しいけれど、愛と憎しみが切なく絡み合っていきます。
疑い・不安・憤り・悲しみ。
戦争と人種偏見。そして平和とは・・・
雪が降りしきるヒマラヤ杉の林が、自分に深く語りかけているような感じがします。
今 ここで伝えることに意味があると思い、綴らせていただきました。