フェルメールが描いたのは一般家庭の何気ない日常。
一般に「フェルメール・ブルー」と呼ばれるように、フェルメールの絵といえばまず「青」が思い浮かぶ。
フェルメールがもっとも多く使っていた青は、天然のウルトラマリンというきわめて高価な顔料だ。
これは貴重な鉱石であるラピスラズリを原料とし、当時は金よりも高価だったとされる。伝統的には聖母マリアの青色のマント(「天の真実」を表す)を描くなど特別な用途に使われることが多かったが、フェルメールはこの高貴な色を、日常的な人々の生活を描くのに惜しみなく使用した。また、フェルメールの用いている鉛錫黄(えんしゃくおう)という鉛を含んだ黄色は、当時もっとも鮮やかな黄色として使われていた。
フェルメールの作品を特徴づける青と黄色。
色彩を互いに生き生きと引き立て、その印象を強めている。
フェルメール原寸美術館
100% VERMEER!より