「トラサレーヌ trasarenu」
「カッツェンシュプルング katzensprung」
「アンフラマンス inframince」
「ギャラクシー galaxy」
近代化とともに使われなくなった、人間味あふれるちょっとおかしな単位を紹介した
『はかりきれない世界の単位』を読みました。
現代人は自分で測るということを、あまりしなくなりました。時間なら時計、場所ならGPS(カーナビ)を見れば、一目瞭然。面倒な手続きは必要ありません。しかも正確です。もしも時計やGPS、そしてついでにモノサシも消えてしまったら、時間や位置や長さなどは何で測ればいいでしょうか。答えは「空」と「からだ」です。太陽や星、月の満ち欠けで、時間や自分の位置を、そしてからだを使って長さを測ることになるはずです。かつて世界のどの地域でも、単位はそのようにして生まれました。
(まえがき より)ちなみに「トラサレーヌ」は日光のなかに浮遊する塵の量。
「カッツェンシュプルング」は猫がひと跳びする距離。
「ギャラクシー」は銀河の質量単位だとか。
現実と非現実の境界の薄さを測る単位は「アンフラマンス」
「下の、下方の」という意味の接頭辞「infra-」と、「薄い」という意味の形容詞「mince」を組み合わせたマルセル・デュシャンの造語。
物質界にいながら、可能なかぎり非物質界に近い、その寸前に留まることを指した言葉だそうです。
現実と非現実の境界の薄さ(厚さ)を測る単位ともいえます。
・・・なるほど。
著者である、米澤 敬さん。
他にも『MINERALIUM INDEX』『B
―PLASTIC BEATLE―ビートルズの遊び方』などがあります。
そして、この一冊と出会うきっかけとなったイラストレーター、グラフィックデザイナーの
日下 明さん。心温まるイラストが印象的です。
ピアノとトロンボーンによる、絵と音と言葉の素敵なユニット「
repair」としてもご活躍。
絵とトロンボーンを担当されています。
「メトン周期」「クローシャ」「ブーク」「タスタ」「アラウトュン」
不思議な世界の測り方。
けれど、なかなか測りがたいのが、ほかならぬ人間。
心や気持ちを単位にすることは・・・