『ダゲレオタイプ』
世界最古の写真撮影方法。長時間の露光を必要とするため、人物を撮影する場合は長時間に渡り身体を拘束される。ネガを作らず、直接銀板に焼き付けるため、撮影した写真は世界にひとつしか残らない。「写真を撮るとは命を削り取ること」と思われるほど、モデルになる者は命がけで被写体になっていた。その撮影は被写体と撮影者の愛情交感であり、束縛でもある。
幻想系古本屋「
古書ドリス」さんへ行ってきました。
現在、黒沢清監督 海外初進出の映画『
ダゲレオタイプの女』公開を記念して、本作をテーマとしたコラージュと、150年以上前のダゲレオタイプをはじめ貴重な古写真の展示を開催中です。
映画のモチーフでもある「ダゲレオタイプ」
1839年にフランス人のダゲールが発明。
1840年以降は、ニューヨークを中心にダゲレオタイプポートレイトスタジオが数多く登場。
また、欧米の古い写真には、遺族の依頼により、亡くなった家族の遺体を写した記念写真が数多くあるそうです。数十分の露光時間を必要とするため姿勢の固定が困難なダゲレオタイプは、故人の撮影に適していた写真技術でした。
「愛する人を永遠に残したい・・・」
欲望。恐怖。美しく、悲しく、切ない物語。
現在、
こちらの映画館で上映中です。
コラージュを制作された
M!DOR!さん。
主に1800年代から1940年代の雑誌や紙物の現物そのものを素材として使用し「コラージュ」という手法で作品を制作。
書籍の装幀アートワーク、ファッションブランドとのコラボレーションなど、活躍の幅を広げています。
渋谷西武B館8階オルタナティブスペースでの展覧会「
Cut out Time」も印象的でした。
ガラスドームや古い箱に囲まれた空間は幻想的で、本の世界に迷い込んだ気持ちになりました。
古本屋「古書ドリス」さんは、東京の下町・深川にあります。
この界隈には、魅力的な古本屋・ギャラリー・飲食店があり、東京下町の伝統と最新カルチャーが融合しているスポットです。
優しい雰囲気のオーナーが、今回の展示について静かな口調で語ってくれました。
清澄白河駅への帰り道は、いつもと違って幻想的な空気が流れていました。