





2016年5月29日、
新国立劇場にて『プロメテの火』を鑑賞。
この作品は、ギリシャ神話を題材にした長編舞踊作品として、1950年帝国劇場にて初演。
江口隆哉氏と伊福部昭氏による最高傑作の作品として歴史に刻まれています。
日本に於ける現代舞踊の草分け、江口隆哉氏。
外国のモダンダンスを日本独特の現代舞踊として芸術性を高めました。
「プロメテの火」「日本の太鼓」「作品七番」「日本二十六聖人」など多彩な作品を数多く創作。強烈な印象と感動を残しました。
川端康成氏の小説『舞姫』の「愛する力」の章では、江口隆哉・宮操子夫妻の「プロメテの火」やノイエ・タンツのこと、夫妻のドイツ留学のことについても綴られています。
再演版には、昨年11月のブログでもご紹介した『
Silent Songs』 『
Glass(新作)』が記憶に新しい首藤康之さん、中村恩恵さん。
また、江口・宮門下のベテランから新人までが集結して今回の作品に挑みました。
幼い頃から現代舞踊や舞台の世界を身近に感じ、表現することや伝えることの大切さもこの「舞踊の世界」から教えていただきました。
初演の舞台に立ち、また今回の再演にあたり実行委員会としてダンサーを見守り応援をした伯母。江口先生の力強い姿、躍動感と大群舞の迫力のシーンなど、当時の感動が忘れられないと語っていた母。
その姉妹と共に舞台を鑑賞できたことを嬉しく思っています。
親から子へ、そしてまた次の世代へ。
歴史を繋ぐ瞬間を共有させていただきました。
心に響く作品を、ありがとうございました。

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えぐち・たかや(1900~1977)青森県出身
江口隆哉・宮操子夫妻は、昭和6年(1931年)12月門司港より海路、陸路45日間の旅を経て、ドイツに渡りマリイ・ウィグマン舞踊学校に入学。
先進的ドイツ流のモダンダンス=ノイエタンツを学ぶ。在学中にベルリン・バッハザールにて舞踊公演を開催し「手術室」「タンゴ」他を発表、高い評価を得る。
帰朝後、江口・宮舞踊研究所を設立し、新しい文化、芸術を創造する「新興舞踊」を提唱し洋舞界に新風をもたらす。また、舞踊創作に対しての理念、理論を確立し多くの舞踊家を育成し、現代舞踊の礎を築いた。
「プロメテの火」「日本の太鼓」「作品七番」「日本二十六聖人」など多彩な作品を数多く創作し、強烈な印象と感動を呼んだ。
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