茅場町にある森岡書店さんの新店舗「森岡書店銀座店」へ行ってきました。
場所は銀座一丁目に建つ鈴木ビルの1階。
こちらのビルは、昭和初期に建てられた「東京都および中央区指定の歴史的建造物」だそうです。
ガラス張りの入口からは柔らかい光が差し込み、天井が高い店内は開放感を感じます。
チェストやテーブル、白い壁、シンプルかつスタイリッシュな空間は森岡さんらしさで溢れていました。
お店のコンセプトは「一冊の本を売る書店」
記念すべき最初の一冊は、刺繍アーティスト・沖潤子さんの『PUNK』
高密度の絵画的刺繍はファッションデザイナーや写真家、芸術家たちを熱烈に惹きつけています。
待望の初・作品集はとても贅沢な一冊。まるで本自体が作品のようでした。
濃紺地に金の箔をほどこした函入り、糸かがりの背表紙。
手にした瞬間にしっくりとくるのです。
沖さんが刺繡をはじめたのは2002年。
お母様が残された布に針と糸で自己流の刺繍を始めたのがきっかけだそうです。
本のタイトルでもある『PUNK』
とても強いイメージを感じていました。
しかし巻末にある「作品についての115の短い文」から、PUNKという言葉にはもっと深い意味があることに気付かされました。
沖さんの幼い頃のご家族の記憶、そして湧き出てくる強い想いが針目に表現されていることが伝わってくる一冊です。
2006年の夏。あるイベントがきっかけで訪れた茅場町の森岡書店さん。
日本橋茅場町霊岸橋、運河沿いに立つ昭和初期に建てられたモダンな建物にある素敵な古書店です。
海外の写真集や美術書、そして作品の魅力をより引き出してくれる心地よい空間。
そこで出会った一冊の本『NADAR』
不思議なご縁を感じ、大切にしています。
森岡書店さんとの出会いが、私の「再びの活動」の原点となり今に至ります。
「一冊の本が、その後の人生に大きな影響を与えることがある」
私はそう思っています。
そんな一冊に出会える「森岡書店」さん。
これからのイベントも楽しみにしています。
素敵な時間をありがとうございました。