田中信太郎 岡﨑乾二郎 中原浩大
かたちの発語展
横浜から発信する男たちの熱き生き様
日本郵船の湾岸倉庫を利用したアート拠点「
BankART Studio NYK」で、「田中信太郎 岡﨑乾二郎 中原浩大~かたちの発語展」が開催されました。
原口典之展/2009年、朝倉摂展/2010年、川俣正展/2012年に引き続き、BankART Studio NYK全館を使っての個展シリーズの第4弾。
個展形式で、各作家新旧作品含めて大型の作品群が繰り広げれられます。
日本の現代美術を牽引し、また同世代に大きな影響を与えてきた田中信太郎、岡﨑乾二郎、中原浩大の「かたち」に焦点をあてた展覧会。
会期中、3人でのトークショーやゲストを招いての対談も予定されています。
タイトルの発語とは、辞書によると「言いだすこと。また、言い始めの言葉」
世代も作品スタイルも異なる3人のアーティスト。彼等に共通しているのは、まさにこの「発語」のように「意味を与えないかたち」を常に表現し続けてきたことだといえるでしょう。
今回会場となるBankART Studio NYKは、1953年に竣工された港湾倉庫時代の姿をとどめるコンクリート打放のハードな空間。
現代美術、建築などの展覧会、音楽、レクチャー、ダンスなどの多目的スペースとして利用されており、横浜から数多くのアートを発信してきました。
今回個展形式で開催する「かたち」が、BankART Studio NYKの空間とどのように融合し新しい世界を生み出すか期待されています。
展覧会は和やかな雰囲気で幕を開けました。
オープニングパーティでは気持ちの良い夜風の中、渡辺巧教横浜市副市長をはじめ、3人のアーティスト、そしてBankART1929代表 池田修氏がそれぞれの熱い想いを伝えました。
国立国際美術館(大阪)以来13年ぶりの個展となる田中信太郎氏は、表現者として「展覧会ができる歓び」を静かに語りました。岡﨑乾二郎氏はユーモアを交えながら今回の展覧会への意欲を力強く語り、中原浩大氏は昨年秋の岡山での個展開催後、今回の展覧会のために短期間に全力を注ぎ完成させた作品のことを紹介しました。
2014年、横浜市は東アジア文化都市に選定されました。
第5回展となる「
ヨコハマトリエンナーレ2014」も8月から11月に開催されます。また、同時期に「
黄金町バザール2014 仮想のコミュニティアジア」も開催。
横浜にとって、また現代アートにとって、きわめて重要な年です。
「田中信太郎 岡﨑乾二郎 中原浩大~かたちの発語展」を皮切りに、横浜が現代アートに溢れ、そしてそのパワーを世界に発信することができる記念すべき年になるでしょう。