最近読み返した本『サヨナライツカ』より。
サヨナライツカ
いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ
サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトとにわかれる
私はきっと愛したことを思い出す
(幻冬舎文庫「サヨナライツカ」 辻仁成)
辻 仁成さん。
彼の作品はとても繊細で印象深いものばかり。
1989年『ピアニシモ』で第13回すばる文学賞を受賞。
当時の私にとって、衝撃的な内容でした。
それからも作品を拝見してきました。
また、最近では16年ぶりのニューアルバム
「コトノハナ~Super Best of Jinsei Tsuji~言花」をリリース。
収録曲には『ZOO』のカバーも。
芥川賞受賞作
『海峡の光』が自らの脚本・演出でついに舞台化とご活躍をされています。