録画しておいた「
日曜美術館」を観ました。
今回の特集は、版画家・藤牧義夫氏。
群馬県館林に生まれた藤牧義夫(1911-1935?)は、わずか4年余りの間に、約70点の版画と、隅田川岸の風景を全長32メートルの絵巻で表わした大作によって、関東大震災後の復興に沸く東京の姿だけでなく時代をも鮮烈に映し出したと評される画家です。
私がもっとも印象に残った作品は、上野松坂屋屋上から見た夕焼けの情景を表わした「赤陽」はもちろんのこと、お父さんの伝記を書いた自家製本「三岳全集第1巻」です。
この自家製本を完成させることで、自分の気持ちに区切りをつけたかったのだと思うと、切なくなりました。
「赤陽」発表の年、32メートルにも及ぶ異色作「隅田川絵巻」を完成させましたが、翌年24歳の時、こつ然と消息が解らなくなり、その後、伝説的に語られていくこととなります。
私は、彼のことを詳しく知りたいと思いました。
藤牧義夫の生誕100年を記念した展覧会が、神奈川県立近代美術館 鎌倉で開催されています。
今回の展覧会のタイトルでもある「モダン都市の光と影」
彼は、どんな気持ちで毎日を過ごし、都会を見つめていたのでしょうか。
時代に生きよ 時代を超えよ
~版画家・藤牧義夫~
生誕100年
藤牧義夫展 モダン都市の光と影
3月25日(日)まで開催中です。