~サラリーマンコレクター30年の軌跡~ 山本冬彦コレクション展
このタイトルに惹かれました。
昨日、東京都新宿区にある
佐藤美術館で開催中の「山本冬彦コレクション展」へ行ってきました。
サラリーマンコレクターこと山本冬彦さんが30年にわたりギャラリー巡りをし、こつこつと集めてこられたコレクションの一部を公開していただけるのです。
「美術作品をコレクション」するということは、簡単なことではありません。
山本さんは30年間で約1300点の作品を蒐集してこられました。
また、自らを「アートのソムリエ」と称し、画廊の巡り方や美術品購入のアドバイス、美術をより身近なものにするための普及活動を精力的に行われています。
敷居が高く自分にはちょっと・・・と思われがちな美術品コレクターの世界。
けれど、トークショーでの山本さんの素顔を拝見して私の中にちょっとした変化が起きました。
「コレクターと作家の出会い」として、現在最も注目されている作家の
諏訪敦さん・
三瀬夏之介さんをゲストに迎えたトークショー。
個人コレクターとしての山本さんの作家への敬意。作家としての諏訪さん、三瀬さんの想い。
そこには、お互いの立場を尊重しあう空気が流れていました。
共通することはアートに対する「熱い想い」なのではないでしょうか。
トークショーで印象的だった言葉。それは、創ることを中心とした『環境をつくること』の大切さ。
頭では理解していても、実際はとても難しいこと。きっと多くのアーティストがぶつかっていく壁だと思います。
よりよい作品を発信していくために、最も重要なことだと改めて感じさせられました。
山本さんは、今までとは違う「眼」で観る美術展の楽しみ方を教えてくださいました。
私もいつか本当に気に入った作品と出会える日を楽しみに、ギャラリー巡りをしていこうと思っています。
そして、その作家さんの今後を見守り続けることができる「関係」を結んでいければ幸いです。
2月21日(日)まで開催です。
佐藤美術館での過去の展覧会のことを綴ったブログ
~複眼リアリスト~ 諏訪敦絵画作品展(2008)
冬の夏 三瀬夏之介 展(2009)