第2次世界大戦後の混乱期、日本人の母親と外国人の父親との間に生まれ「混血」と呼ばれた子供たちを、一手に引き取り育てた1人の女性がいました。
澤田美喜さんです。
澤田さんは、その子供たちに安全なホームを作ることを決意し、神奈川県の大磯にたった一人で「エリザベス サンダース ホーム」を創設しました。
昨晩、テレビ東京で「エリザベス サンダース ホーム」で育った卒園生の60年後を追った番組『トンネルの向こうはぼくらの楽園だった』が放送されました。
案内人は土屋アンナさん。
彼女も日本人の母親と米国人の父親の間に生まれました。
そして、4歳の男の子を持つお母さんでもあります。
1人の女性と1,400人の「混血」と呼ばれた子供たち。
法律からも世間からも無視され、目の色、肌の色の違いから差別された幼い子供たちを澤田さんは深い愛情で接しました。
そして、施設の子供たちに対し「ちゃんと顔をあげて歩け。誇りを持って生きろ。愛される人間になれ。」と教えたそうです。
ママちゃまと呼ばれ慕われた澤田さんは1980年海外で亡くなりました。
卒園生にとって澤田さんの存在は今でも物凄く大きいのです。
「混血孤児」として育った卒園生は今、日本、アメリカ、ブラジルなどに散らばり暮らしています。
想像以上のご苦労があったと思いますが、自分の境遇を誰かのせいにしたり、誰かを恨んだりしていないこと。それぞれの人生を受け入れているのです。
きっと、澤田さんから受けた“無償の愛”が大きかったのだと思います。
今回の番組のテーマである“絆”という言葉が浮かびました。
「エリザベス サンダース ホーム」は、現在、社会福祉施設として大磯の同じ場所にあります。