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カテゴリ:映画のはなし( 67 )


原作を読む~ヴィヨンの妻~

10月に青森県五所川原市金木町にある、太宰治記念館「斜陽館」に行ってきました。
太宰治 生誕100年。根岸吉太郎監督、松たか子、浅野忠信ほか出演で上映された「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」
ちょうどよいタイミングで、「斜陽館」を見学することができました。
かっこいい風貌や、具体的で上質な日本語の宝庫で熱狂的なファンが多い太宰治。
私は代表的な作品しか読んだことがありません。これはいい機会と「ヴィヨンの妻」を購入しました。

「斜陽館」は、明治の大地主、津島源右衛門(太宰治の父)の手で建設された入母屋作りの建物は、明治40年、米蔵にいたるまで日本三大美林のヒバを使い造られたそうです。
迷子になるほど、本当に立派な建物でした。
それなのに太宰はこの家を「苦悩の年鑑」の中で「この父はひどく大きい家を建てたものだ。風情も何もないただ大きいのである」と書いています。

「ヴィヨンの妻」を読んで、どうしようもないけれど、どこか憎みきれない夫に対して、強く明るく生きる妻佐知に拍手を送りたいと思いました。
現代のどこか他力本願的な時代に、佐知のような生き方が大切なような気がしました。

9月には津軽鉄道芦野公園駅プラットホームを特設舞台にした演劇「津軽」が上演されたとのこと。
こちらも行きたかったな~。

日本文学を改めて見直そうと思いました。
by madargallery | 2009-11-29 15:15 | 映画のはなし

原作を読む~ゼロの焦点~

今現在、大ヒット上映中の『ゼロの焦点』。
本で読んでみようと思い早速購入しました。
松本清張生誕100周年ということで、テレビや映画で話題となっていますね。
私は母がサスペンス好きということもあり、その影響からか、松本清張の作品はほとんど観ています。先日放送された「点と線」。2度目だというのに、また観てしまいました・・・(笑)
ただ、本を手にすることは初めてなのです。

「ゼロの焦点」は、雑誌「宝石」誌上に連載されて絶賛を博した松本清張の社会派長編ミステリーの代表作です。
新婚7日目に金沢へ出張、そのまま消息を絶った広告マンの夫の足どりを追って、妻の禎子は北陸を舞台に1人捜査に乗り出すというストーリー。
戦後の混乱期の男女の愛憎が見事に描かれています。

正直なところ、映画に出演する女優さんの顔がチラホラとして、作品に集中出来なかった部分もあったりしました。
また、戦後の混乱をテーマにした「人間の証明」や、その時代をたくましく生き抜く「肉体の門」の映像が浮かびました。

本を読み終わって、感じたこと。
「生きることへの執着」です。
執着・・・という言葉は、あまりいい感じはしませんが、この時代の女性たちに対しては「頑張る」とか「大切」とか、そんな言い方では表現しきれないのです。

なぜ、彼女たちはそこまで強く生きようと思ったのか?

もしかしたら、この時代にこの作品を上映するということは、現代人に対してのメッセージなのかもしれません。
by madargallery | 2009-11-22 15:32 | 映画のはなし

「かわいい」ことを考えているおばあさん。

先日、渋谷パルコのロゴスギャラリーに行ってきました。
同じB1フロアにて開催中のLisa Larson Design Storeにも立ち寄ってみました。

1931年生まれのスウェーデンの陶芸家リサ・ラーソン。
スウェーデン陶器の黄金期を築かれた1人です。

北欧のかわいらしい動物たちの陶器作品『動物シリーズ』は、ユーモアのある表情が特徴でコレクターがいるほどです。
彼女の作品は、素朴で手の温もりを感じさせる作品が多く、本国スウェーデンや、日本だけでなく、世界中の人々により愛されています。今現在も現役で活躍し続けています。

この、Lisa Larson Design Storeのよかったところ。
それは、『空間』の作り方です。
彼女の作品を制作する工場の写真。彼女本人のサマーハウスでの制作風景。
数多くの写真等を圧迫感を感じさせずに展示する方法。動物たちが生き生きと見える角度。すべてがきちんと考えられていました。
この東京の地下にスウェーデンの癒しの空気を持ってくるレイアウトに感心しました。

23日まで開催中です。

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by madargallery | 2009-09-21 16:34 | 映画のはなし

映画資料でみる 映画の中の日本文学 Part2

京橋にある東京国立近代美術館-フィルムセンターへ行ってきました。
『映画資料でみる映画の中の日本文学』展が目的だったのですが、あまりの人の多さに驚きました。
どうやらその方々は同時に大ホールで開催されている『EUフィルムデーズ2009』が目的だったようです。
『EUフィルムデーズ2009』とは欧州連合(EU)加盟国の近作を一堂に集め、ヨーロッパ社会・文化の多様性を紹介するユニークな映画特集で、上映作品の監督やプロデューサーなど来日ゲストを招いてのシンポジウムやトーク・イベントが開催されるのです。
そちらも行きたかったのですが、時間の関係で今回は断念。

目的の『映画資料でみる 映画の中の日本文学 Part2』
会場は夕方だったせいもあり、ほぼ私1人で楽しませていただきました。
昭和の始まりから終戦期までに主に活躍した作家たちの原作による映画作品がずらり。
こちらの企画展の内容の濃さにいつも驚かされます。
ここまでの情報を提供していただけるとは感謝です。
フィルムセンターの所蔵品を中心とするスチル写真・ポスター・シナリオなどの展示。
過去にタイムスリップする感じがいいんです。暗い展示室、懐かしい匂い、映写機の音・・・。

映画大国日本も、百年以上にわたる歴史を通じて、個々の文学作品が各時代の文化状況の中で一本の映画に翻訳されました。
岸田國士『暖流』、プロレタリア文学 小林多喜二『蟹工船』、時代小説 長谷川 伸『瞼の母』、異端の文学、通俗小説、児童文学、劇作家・・・とわかりやすく分類されています。
中には、ある外国文学を日本語に訳した作家と出版社社長に対しての刑法の問題も取り上げられたブースもあり、表現の自由について深く考えさせられました。
これらの作品が人々にどのように伝えられていったかという道のりをじっくり見直すと、時代背景が浮かび上がってきました。

是非おすすめしたい企画展です。
6月18日(木)まで開催中です。
by madargallery | 2009-06-13 15:44 | 映画のはなし

おくりびと

私が映画『おくりびと』を観に劇場に行こうと思ったきっかけは両親の言葉でした。
映画好きな両親の感動の様子がひしと伝わってきたからです。

第81回アカデミー賞外国語映画賞をはじめ、数々の賞を受賞し、元気のない日本に感動と歓びをもたらせてくれましたね。
正直な気持ち、その大きな話題と期待に負けてしまったら・・・などと余計な不安もあったりしました。

でも、行ってきてよかった。本当によかった。。。
個人的な話ですが、昨年末に亡くなった大好きな伯母と重なる部分もあり最初から涙が止まりませんでした。

本木雅弘さんをはじめ、山崎努さん、余貴美子さん・・・役者さんの演技も素晴らしい!
そして何よりも滝田洋二郎監督に大きな拍手を贈りたい。
受賞時、富山にいらっしゃる監督のご両親がこう語っていました。
「息子を誇りに思う」
この言葉にも感動しました。
長年の監督のご苦労を一番理解している家族だから。。。

「死」という重いテーマですが、チェロの美しい音色、庄内平野の美しい自然を舞台に笑いあり涙ありの作品。
納棺師という素晴らしいお仕事。
淡々とした物語の中にある大きなメッセージ。

『受け入れる』
上手く伝えられませんが、「死」とは「受け入れる」ことだと思ったのです。
例えどんなことがあっても、最後にはきちんと送る側も送られる側も全てを受け入れることが大切なんじゃないかと。
自分も家族を、また本当に大切な人を「本当にお疲れ様でした」と送ってあげたいと思いましたし、自分もその時は・・・

『おくりびと』の英題はDepartures・・・
決して寂しいことではないのです。

とても清らかで穏やかな気持ちで劇場を後にしました。
by madargallery | 2009-04-19 12:04 | 映画のはなし

『花の生涯 ~梅蘭芳~』


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「穏やかな性格だが、内面には強い信念を持っていた。
直面する困難を、なぜ平常心で克服できたのか。
それを表現したかった」

陳 凱歌監督


映画『花の生涯 ~梅蘭芳~』公式サイト
by madargallery | 2009-03-03 00:29 | 映画のはなし

東洋宮武が覗いた時代

過去に舞台に関わっていた時期がありました。
舞台に立つこともあれば、スタッフとして舞台を支えたこともあります。
みんなで一つのことを「創る」作業が好きです。
そしてそこで得たことが、「意味のあること」ということを実感しています。

すずきじゅんいち監督による日米合作の長編ドキュメンタリー映画『東洋宮武が覗いた時代』(英題“Toyo’s Camera”)の完成披露試写会が、ロサンゼルスの国際交流基金にて行われたことを知りました。
真珠湾奇襲以降、日系人は危険ということで一定の場所に追い立てられ隔離されていました。

国家・民族とは何か・・・
第2次世界大戦下のアメリカ。写真家・東洋宮武(とうよう みやたけ)は、収容所に隠し持ったレンズを通して日系人たちの日常生活を記録し続けました。
この映画は、彼が撮影した貴重な写真と当時を知る人々へのインタビューを通して、アメリカにも日本にも属することができなかった日系人たちの歴史を描いてます。
また背景を彩る音楽を担当したのは、グラミー受賞アーティストの喜多郎。

最初にお話した舞台のこと。
私たちは、井上ひさし・作『マンザナ、わが町』という作品を上演しました。
真珠湾奇襲直後の米国、舞台はアメリカ西海岸の日系人マンザナ収容所。
戦争、日系人、強制収容所・・・この内容にとまどう私たち。
とにかく少しでも理解しようと、必死で資料という資料を読んだことを覚えています。


「二度と起こってはならないこの事実をカメラで記録するのが、カメラマンとしてのつとめだ。」

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公式サイト『東洋宮武が覗いた時代
米国では3月6日(金)にロサンゼルスで公開。
日本では4月に東京都写真美術館ジャック&ベディで公開予定。
by madargallery | 2009-02-15 12:03 | 映画のはなし

東のハリウッド

「東欧で製作されるハリウッド映画が増えている」
先日、新聞にこのような記事が掲載されていました。

その理由として挙げられるのは、コストの問題です。
なんと、米国や西欧より安く、撮影費は米国の6分の1だそうです。
例えば、ブルガリアの首都ソフィア郊外にあるニュー・ボヤナ・スタジオ。
(62年設立の国営ボヤナ・スタジオ民営化で米ハリウッドのニュー・イメージ社が05年に買収し、改名)
コンピューターを駆使する特殊効果やデジタル編集の部門は最新設備がそろい、技術者も250人規模で欧州では最大級だそうです。
スタジオにはニューヨークの街並みを再現した野外セットもあります。
そのうちパリやロンドンの街並みも再現される日も来るのではないでしょうか。

隣国のルーマニアもコストが売り物だそうです。
ニコール・キッドマン主演の『コールドマウンテン』はカナダで撮影予定でしたが、コストを理由にルーマニアに変更されたそうです。
その時は、全く知らずに映画の世界に浸っていました^^
こういう背景も知りながら作品を観ると面白いかもしれません。

製作費の一部が返ってくる税優遇措置も導入され、各国で誘致合戦を繰り広げているそうです。
今後の映画製作はどのようになっていくのでしょうか。
by madargallery | 2009-02-08 13:27 | 映画のはなし

cinecafe soto

ちょっと前の話です。友人に紹介され『cinecafe soto』(シネカフェ ソト)に行ってきました。
場所は東京都北区の十条。
十条と言えば、あの長~い商店街の「十条銀座商店街」で有名。
せっかくだからと、ズンズンと歩いてみました(笑)
地元の人の活気溢れる商店街でした。楽しそう~

そう、cinecafe sotoの話。
JR埼京線 十条駅北口下車すぐ駅前にあるcinecafe soto。
入り口には映画の看板が・・・11月の上映会は、「フリーダ」
個人的にも好きな作品の一つです。
過去の上映作品を見てもなかなかのセレクトです。
地下へ階段を下りていくと、正面には映画やイベントのフライヤーが置いてあります。
その奥にはスクリーンと座席とがあり、小さいスペースながら本格的でした。
映画の上映と作品にちなんだお料理の上映会を実施されているとのことです。
私は、自家製のキッシュとホットはちみつミルクをいただきました。体が温まり美味しかったです。

帰り際のオーナーさんとの話の中で、本当に映画が好きなんだなぁということがよく伝わってきました。
そして、このお店に集まってくる人たちとの交流を心から楽しんでいるようです。

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by madargallery | 2008-11-12 12:53 | 映画のはなし

映画の撮影

カンヌのこと、タイ式シネマ☆パラダイス。映画の話題、気になることでいっぱいですが、今日はちょっと違った視点から映画のことを。。。

夜型人間の私ですが、ここのところ早起きになりました。
自宅前のマンションにて、映画の撮影が行われているのです!

来春公開予定のこの作品。まだ仮タイトルなので、詳しいことはまた後日お伝えします。
主演の女優さんも透明感があって本当にキレイです。
今話題の彼女は映画・ドラマ・CMと活躍中。

以前から、何やら撮影のようなことをしていて気にはなっていました。
ある日、スタッフの方がご丁寧に挨拶にみえました。
近所を一軒一軒まわっているんですね・・・いやいや大変です。
俳優の方々、撮影スケジュール、スタッフの数を見ただけで、スクリーンの裏側の姿が想像されます。そして、映画制作がどんなに大変かと感じました。

今朝の撮影は、交通整理をしながら自宅前の公道にて。
「本番いきまーす!」「はい!OK」と勢いのある声が私の部屋中に響き渡ります。
滅多にない機会。これ、最高に気持ちいいです。

スタッフの方の説明にあった気になる言葉「非日常的な撮影が行われます。」
「・・・」
これか!と思う決定的瞬間。血糊をみて、出勤前にかなりテンションがあがってしまいました。

この数日間、貴重な現場を見せてもらえたと、逆にスタッフの方に感謝したいくらいです。
今から公開初日を楽しみにしている私です。


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INFOCUS AWARD 2008 のご案内

2008年4月25日(金) ~ 6月8日(日)

INFOCUS AWARD 2008に参加させていただいています。
INFOCUS AWARD 2008は、多くのアーティスト・クリエーターがお届けするWEB展覧会です。
アートをより身近に感じ、楽しんでもらえれば幸いです。
詳しくは公式サイトへ>>
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by madargallery | 2008-05-28 12:55 | 映画のはなし


しおざきまさこの日々のこと

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しおざきまさこ

ART空間散歩人
刺繍作家
イラストレーター
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「ART空間散歩人」として、美術館や劇場をはじめ、素敵なART空間を散策し、自分なりの言葉で綴っています。
アート、映画、音楽が大好きです。
また、刺繍作家・イラストレーターとして、日々創作活動を続けています。
よろしくお願いします。

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