よく訪れる場所に、等身大のモノトーンの絵が飾られています。
天井が高く、真っ白の大きな壁には、その絵が圧倒的な存在感を示しています。
立ち止まり見上げるのが私の習慣になっています。
体がねじれた洋服姿の人物たち、ネクタイやスカートが風に舞っている様子。
まるで、今にも動き出しそうな人物・・・。
「Men in the Cities」の連作。都会的でクールな感覚を描くのはロバート・ロンゴ。
80年代ニューヨーク・アートシーンの代名詞といえばロバート・ロンゴでした。
彼の作品の中で最も有名なのがこの「Men in the Cities」のシリーズ。
1953年1月7日ニューヨーク市生まれのロバート・ロンゴ。
アルバイトでマンハッタンのタクシー・ドライバーをしていたロンゴは大都会の人間たちを日々観察していたそうです。
写真を精巧に模写したこれらの作品は、木炭やグラファイトを用いたドローイング。
それをもとにした版画も多数制作しました。
私は、この作品を前にすると「瞬間」という言葉が頭に浮かびます。
「瞬間」の前後を想像しながら、この場所を後にしました。