お芝居が好きなヨウコさんと一緒に
劇団民藝公演『シズコさん』を観に行ってきました。
舞台は、渋谷区千駄ヶ谷にある
紀伊國屋サザンシアター。
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『100万回生きたねこ』などで知られる絵本作家・佐野洋子(1938-2010)。
女手ひとつで4人の子供を育て上げたたくましい母シズコと、4歳のころ、手をつなごうとして振りはらわれた時から母を疎む長女ヨーコ。ふたりの葛藤と情愛、そして和解を赤裸々につづった物語『シズコさん』を舞台化します。
脚本は原田康子原作『海霧』など民藝では4作目となる小池倫代。本作では、母と娘、家族をとりまく人びとを、豪放で繊細な佐野さんの筆致そのままに描き出します。
これまで気ままな独り暮しをしていた母シズコだが、右腕を骨折し生活がままならない。
誰が面倒をみるか兄弟姉妹で話し合うものの結論は出ず、ひとまず次男の家に引き取られる。
しかし我が強いシズコと嫁はうまくいかず、シズコとはきつい関係のままだった長女ヨーコが面倒をみることになるのだが……。
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母と娘。
『いま母娘関係の息苦しさや違和感を告白する女性が増えています。』
最近では、そんなコラムや番組を目にするようになりました。
母娘関係には、父息子とも母息子とも父娘とも違う、女性同士であるがゆえの特性があると言われています。
時として、母娘関係が逆転することがあります。
些細なことで強い口調になる私に、小さくなる母。
「また、やってしまった」と悔やむ私。
それでも、仲直りしたくて無理に喜ばせたりすることで、どこか後ろめたい自分に折り合いをつけているような、その繰り返し。
日々の暮らしでうまくいかない苛立ちをぶつけるのも母。
嬉しかったことを真っ先に伝えるのも母。
・・・そして、今の活動の原点になっているのも母。
私自身がぶれないように、強くならなければならない。
いつもいつも、そう思います。
舞台『シズコさん』を自分に重ねて鑑賞し、頬に涙が伝っていくのを感じました。
帰り道、小さなお土産を手に電車に乗りました。
劇団民藝 演出部の佐々島さん。
これからのご活躍も応援しています。
終演後、舞台袖で佐々島さんに伝えきれなかった想いをここに綴らせていただきました。
本当にありがとうございました。