今現在、大ヒット上映中の『
ゼロの焦点』。
本で読んでみようと思い早速購入しました。
松本清張生誕100周年ということで、テレビや映画で話題となっていますね。
私は母がサスペンス好きということもあり、その影響からか、松本清張の作品はほとんど観ています。先日放送された「
点と線」。2度目だというのに、また観てしまいました・・・(笑)
ただ、本を手にすることは初めてなのです。
「ゼロの焦点」は、雑誌「宝石」誌上に連載されて絶賛を博した松本清張の社会派長編ミステリーの代表作です。
新婚7日目に金沢へ出張、そのまま消息を絶った広告マンの夫の足どりを追って、妻の禎子は北陸を舞台に1人捜査に乗り出すというストーリー。
戦後の混乱期の男女の愛憎が見事に描かれています。
正直なところ、映画に出演する女優さんの顔がチラホラとして、作品に集中出来なかった部分もあったりしました。
また、戦後の混乱をテーマにした「人間の証明」や、その時代をたくましく生き抜く「肉体の門」の映像が浮かびました。
本を読み終わって、感じたこと。
「生きることへの執着」です。
執着・・・という言葉は、あまりいい感じはしませんが、この時代の女性たちに対しては「頑張る」とか「大切」とか、そんな言い方では表現しきれないのです。
なぜ、彼女たちはそこまで強く生きようと思ったのか?
もしかしたら、この時代にこの作品を上映するということは、現代人に対してのメッセージなのかもしれません。